近過去と半過去の違い
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近過去と半過去の違い
1. イタリア語の近過去と半過去
イタリア語の動詞に色々な種類の過去形がありますが、一番よく使われているのは近過去と半過去です。イタリア語の学習者は、近過去と半過去の使い分けで困ってしまうことが多いです。この問題が起きるのは、学習者が近過去の勉強を終えて、半過去の勉強に取り掛かる時です。本記事は、イタリア語の近過去の勉強を終えている日本人の学習者を対象にしています。
例A Stamattina alle 7 ho bevuto il caffè. (近過去)
例B Stamattina alle 7 bevevo il caffè. (半過去)
例C Da bambino sono andato a scuola. (近過去)
例D Da bambino andavo a scuola. (半過去)
例E Maria è stata bella. (近過去)
例F Maria era bella. (半過去)
例G Stamattina alle 7 sono andato a scuola (近過去)
例H Stamattina alle 7 andavo a scuola (半過去)
何が違うでしょうか?
半過去の勉強を困難にさせている一つの理由はまず、半過去に対する誤解です。
イタリア語の教科書や文法帳などで、半過去について色々かかれていますので、学習者の多くは独学で半過去を勉強するかたが多いです。しかし、近過去と半過去の違いは言葉で説明しづらい問題なので、独学者の頭によくそのせいで誤解が生じてしまいます。ですから、もう一度半過去の勉強に取り掛かる前にまず、どんな誤解が一般的なのか明らかにさせたほうが良いでしょう。
2. 半過去の一般的な誤解
近過去と半過去の一般的な誤解は四つあります。
1) イタリア語の近過去と半過去のは、英語の現在完了と単純過去の違いを表しているという誤解。
もし本当だったら、例AはThis morning at 7 I have drunk coffeeになり、例BはThis morning at 7 I drunk coffeeになるのですが、違います。英語の現在完了と単純過去は両方、イタリア語の近過去に含まれています。
2) 近過去は短い動作を表しているのに対して、半過去は長く続いた動作を表しているという誤解。
もし本当だったら、例Aは「今朝の7時にコーヒーを急いで飲んだ」、例Bは「今朝の7時にコーヒーをゆっくり飲んだ」という訳になるのですが、これも違います。
3) 近過去は近い(最近の)過去を表していて、半過去はもっと昔の過去の出来事を表しているとの誤解。
例Aも例Bも今朝の7時(コーヒーを飲んだこと)の出来事を表しているのですが、近過去も半過去も両方使えます。
3. 英語の半過去
イタリア語と英語の文法は多少似ています。そのおかげで英語が流暢なイタリア語の学習者はにとっては色々楽になるのですが、逆に英語の知識がイタリア語の誤解のもとになる場合もあります。半過去の場合はどうなのでしょうか?
イタリアの半過去は英語の過去進行形と同じなのでしょうか?
もしそうだったら、例B、例Dの英語訳が以下の通りになります。
例B This morning at 7 o’clock I was drinking coffee
例D When I was a child I was going to school.
例Bの訳は合っていますが、例Dのは間違っています。例Dの正しい訳は以下の通りです。
例D When I was a child I used to go to school.
イタリアの半過去を英語に訳すと、英語の過去進行形を使える時もあれば、英語の「used to」で表現する時もあります。ですから、イタリア語の半過去と英語の過去進行形は完全に同様ではありません。
4. 日本語にも半過去はあるのか?
イタリア語だけを使ってイタリア語の時制を理解するのが理想的ですが、日本人の学習者ならおそらくイタリア語の時制が自分の言葉に反映されていることがわかったら、使い方を覚えるのが楽になるでしょう。
半過去のような時制は、日本語にもあります。
例Aと例Bの日本語への正しい訳し方は文脈によって多少違いますが、一応
例A 今朝の7時にコーヒーを飲みました。
例B 今朝の7時にコーヒーを飲んでいました。
と訳せば、間違いはありません。
つまり、イタリア語の近過去ho bevutoは日本語の「飲みました」に当たり、イタリア語の半過去bevevoは日本語の「飲んでいました」に当たると思えばいいわけです。
日本語では、「飲みました」は「飲む」動詞の過去形で、「飲んでいました」は、正式に言えば、「飲む」動詞の過去形の非完結相になるのですが、よく「過去進行形」と呼ばれています。
日本語の動詞の過去進行形は、イタリア語の半過去と同じ時制を表しているのでしょうか?
*分かり易いように、イタリア語の色々な人称を省略して、全部一人称にしましたが、他の人称も同様です。
上の表での動詞では、イタリア語の半過去を日本語の過去進行形で表すことができます。
しかし、全ての動詞で同じようにできると限りません。
例えば、例Hを「今朝の7時に学校に行っていました」と訳したら間違いです。
イタリアの半過去は、
1)ある動作の最中の状態か、
2)過去にあった習慣
のどちらかを表しています。
日本語の過去進行形は、ある動作の最中を表している時もあれば、そうではない時もあります。例Aと例Bの場合、bere(飲む)動詞を使いました。この場合では、bereの近過去であるho bevutoを「飲みました」と訳し、bereの半過去であるbevevoを「飲んでいました」と訳せば、間違いはありません。同じように、ho mangiato、ho fattoをそれぞれ「食べました」、「しました」と訳し、mangiavo、facevoを「食べていました」、「していました」と訳せば、大丈夫です。しかし、大丈夫ではない動詞もあります。例えば、andare「行く」の近過去であるsono andatoを「行きました」と訳せば問題ないですが、andareの半過去であるandavoを「行っていました」と訳せば、間違いを起こしてしまう可能性があります。同じように、venire(来る)の半過去であるvenivoを「来ていました」と訳したら、文脈によって正しくない時もあります。それでは、「飲む」、「食べる」、「する」のような動詞と、「行く」、「来る」のような動詞と、何かの違いがあるのでしょうか?
答えはYESです。
「飲んでいました」、「食べていました」、「していました」はある動作の最中の状態を表しています。しかし、「行っていました」、「来ていました」は、ある動作の結果を表しています。
例A 今日の朝7時にコーヒーを飲んでいました。
例B 今日の朝7時に学校に行っていました。
例Aは、朝7時の時点に、コーヒーをまだ飲み終わっていなかったことを意味しています。つまりその時点に、まだ飲んでいる最中でした。
例Bは、朝7時の時点にすでに学校に行っていたことを意味しています。行く最中だったのではなく、もう着いていました。つまり、「行く」という動作は終わっていました。その結果として、目的地である学校にいました。「飲んでいました」は動作の最中の状態を表しているのに対して、「行っていました」は動作の結果を表しています。日本の言語学者金田一春彦は、「飲む」のような動詞を「継続動詞」と呼び、「行く」のような動詞を「瞬間動詞」と呼んでいます。
「瞬間動詞」は瞬間的な動作を表しているのに対して、「継続動詞」はしばらく続いている動作か状態を表しているとされています。
「食べる」、「飲む」は継続動詞です。「行く」、「来る」は瞬間動詞です。
「食べる」と「飲む」の過去進行形である「食べていました」、「飲んでいました」は、食べる動作、飲む動作が最中であることを表しています。しかし、「行く」、「来る」の過去進行形は、行く動作、来る動作が済んでいる、済ませてあることを表しています。イタリア語の半過去は、済んだ動作を表している時制ではありません。イタリア語の半過去は最中の動作を表しています(習慣も表していますが、習慣もある意味で何かの動作の最中と思われています)。
例Hは、「今朝の7時に学校に行く途中でした。」という意味です。
日本語の動詞の過去進行形はイタリア語の半過去と同じ時制を表しているかと言ったら、場合によってはそうですが、完全に同じ時制とは言えません。同じ時制に当たるのは、継続動詞の場合だけです。
そうなると、日本語の瞬間動詞の過去進行形をイタリア語の半過去として訳したら絶対間違いなのでしょうか?
実際、間違いではない場合もあります。
例えば、例Dを「子供のころ学校へ行っていました」と訳せば、間違いではありません。
イタリア語のの半過去は、過去の動作が最中であることを表す時もあれば、過去の習慣を表す時もあります。例Dは、過去の「学校に行く」習慣を表しています。過去の習慣を言っている場合、例え瞬間動詞であっても、イタリアの半過去を日本語の過去進行形で訳すことができます。
日本語の瞬間動詞の場合、過去進行形がある動作が終わったことを表す時もあれば、過去の習慣を表す時もあります。又、金田一教授によりますと、日本語の動詞は継続動詞、瞬間動詞、状態動詞に分けることができます。状態動詞は、「ある」、「いる」、「である」、「です」、「要る」など、進行形が当てはまらない動詞です。
イタリア語のessere動詞とstare動詞は両方日本語の「いる」、「ある」、「だ」、「です」、「である」とそれと同様の意味の日本語で表されています。しかし、イタリア語のessere動詞とstare動詞に近過去と半過去の使い分けがあるのに対して、日本語の「ある、」、「である」などに過去形と過去進行形の区別はありません。なので、このような状態動詞でも、イタリア語の半過去を日本語に訳す時は注意が必要です。
5. 半過去をイタリア語として理解する
ここまで見たように、イタリア語の近過去と半過去を日本語の時制に基づいて区別しようとすると、日本語の時制が参考になる時もあれば、誤解を引き起こしてしまう時もあります。ですから、近過去と半過去を上手に使い分けるには、イタリア語としての半過去の理解が必要です。
そもそも半過去は何でしょうか?
どうしてイタリア語は近過去と半過去を区別するのでしょうか?
イタリア語の近過去は普通に、過去にあったことを伝えるために使います。
半過去も、もちろんそうです。しかし、半過去の場合、その「あったこと」は
1)ある時点に起きている最中だった。
2)その内なくなった習慣か状態だった
として紹介したい時に使います。
例Bと例Hは第一種類に所属しています。
例Dと例Fは第二種類に所属しています。
以下に記載してある全ての例文の日本語訳を参考にしてください。
例A 今朝の7時にコーヒーを飲みました。
例B 今朝の7時にコーヒーを飲んでいました
例C 子供のころ学校に行ったことがあります。(*不自然なのでこの文脈ではあまり使いません。)
例D 子供のころ学校に行っていました。
例E マリア―が綺麗だった時期がありました。(*近過去の場合、一番伝えたいのは、そのことが「起きた」ことです。)
例F マリアは綺麗でした。
例G 今朝の7時に学校に行きました。
例H 今朝の7時に学校に向かっていました。
イタリア語の動詞に色々な種類の過去形がありますが、一番よく使われているのは近過去と半過去です。イタリア語の学習者は、近過去と半過去の使い分けで困ってしまうことが多いです。この問題が起きるのは、学習者が近過去の勉強を終えて、半過去の勉強に取り掛かる時です。本記事は、イタリア語の近過去の勉強を終えている日本人の学習者を対象にしています。
例A Stamattina alle 7 ho bevuto il caffè. (近過去)
例B Stamattina alle 7 bevevo il caffè. (半過去)
例C Da bambino sono andato a scuola. (近過去)
例D Da bambino andavo a scuola. (半過去)
例E Maria è stata bella. (近過去)
例F Maria era bella. (半過去)
例G Stamattina alle 7 sono andato a scuola (近過去)
例H Stamattina alle 7 andavo a scuola (半過去)
何が違うでしょうか?
半過去の勉強を困難にさせている一つの理由はまず、半過去に対する誤解です。
イタリア語の教科書や文法帳などで、半過去について色々かかれていますので、学習者の多くは独学で半過去を勉強するかたが多いです。しかし、近過去と半過去の違いは言葉で説明しづらい問題なので、独学者の頭によくそのせいで誤解が生じてしまいます。ですから、もう一度半過去の勉強に取り掛かる前にまず、どんな誤解が一般的なのか明らかにさせたほうが良いでしょう。
2. 半過去の一般的な誤解
近過去と半過去の一般的な誤解は四つあります。
1) イタリア語の近過去と半過去のは、英語の現在完了と単純過去の違いを表しているという誤解。
もし本当だったら、例AはThis morning at 7 I have drunk coffeeになり、例BはThis morning at 7 I drunk coffeeになるのですが、違います。英語の現在完了と単純過去は両方、イタリア語の近過去に含まれています。
2) 近過去は短い動作を表しているのに対して、半過去は長く続いた動作を表しているという誤解。
もし本当だったら、例Aは「今朝の7時にコーヒーを急いで飲んだ」、例Bは「今朝の7時にコーヒーをゆっくり飲んだ」という訳になるのですが、これも違います。
3) 近過去は近い(最近の)過去を表していて、半過去はもっと昔の過去の出来事を表しているとの誤解。
例Aも例Bも今朝の7時(コーヒーを飲んだこと)の出来事を表しているのですが、近過去も半過去も両方使えます。
3. 英語の半過去
イタリア語と英語の文法は多少似ています。そのおかげで英語が流暢なイタリア語の学習者はにとっては色々楽になるのですが、逆に英語の知識がイタリア語の誤解のもとになる場合もあります。半過去の場合はどうなのでしょうか?
イタリアの半過去は英語の過去進行形と同じなのでしょうか?
もしそうだったら、例B、例Dの英語訳が以下の通りになります。
例B This morning at 7 o’clock I was drinking coffee
例D When I was a child I was going to school.
例Bの訳は合っていますが、例Dのは間違っています。例Dの正しい訳は以下の通りです。
例D When I was a child I used to go to school.
イタリアの半過去を英語に訳すと、英語の過去進行形を使える時もあれば、英語の「used to」で表現する時もあります。ですから、イタリア語の半過去と英語の過去進行形は完全に同様ではありません。
4. 日本語にも半過去はあるのか?
イタリア語だけを使ってイタリア語の時制を理解するのが理想的ですが、日本人の学習者ならおそらくイタリア語の時制が自分の言葉に反映されていることがわかったら、使い方を覚えるのが楽になるでしょう。
半過去のような時制は、日本語にもあります。
例Aと例Bの日本語への正しい訳し方は文脈によって多少違いますが、一応
例A 今朝の7時にコーヒーを飲みました。
例B 今朝の7時にコーヒーを飲んでいました。
と訳せば、間違いはありません。
つまり、イタリア語の近過去ho bevutoは日本語の「飲みました」に当たり、イタリア語の半過去bevevoは日本語の「飲んでいました」に当たると思えばいいわけです。
日本語では、「飲みました」は「飲む」動詞の過去形で、「飲んでいました」は、正式に言えば、「飲む」動詞の過去形の非完結相になるのですが、よく「過去進行形」と呼ばれています。
日本語の動詞の過去進行形は、イタリア語の半過去と同じ時制を表しているのでしょうか?
日本語(過去形) | イタリア語(近過去) | 日本語(過去進行形) | イタリア語(半過去) |
飲みました 食べました しました | Ho bevuto Ho mangiato Ho fatto | 飲んでいました 食べていました していました | Bevevo Mangiavo Facevo |
*分かり易いように、イタリア語の色々な人称を省略して、全部一人称にしましたが、他の人称も同様です。
上の表での動詞では、イタリア語の半過去を日本語の過去進行形で表すことができます。
しかし、全ての動詞で同じようにできると限りません。
例えば、例Hを「今朝の7時に学校に行っていました」と訳したら間違いです。
イタリアの半過去は、
1)ある動作の最中の状態か、
2)過去にあった習慣
のどちらかを表しています。
日本語の過去進行形は、ある動作の最中を表している時もあれば、そうではない時もあります。例Aと例Bの場合、bere(飲む)動詞を使いました。この場合では、bereの近過去であるho bevutoを「飲みました」と訳し、bereの半過去であるbevevoを「飲んでいました」と訳せば、間違いはありません。同じように、ho mangiato、ho fattoをそれぞれ「食べました」、「しました」と訳し、mangiavo、facevoを「食べていました」、「していました」と訳せば、大丈夫です。しかし、大丈夫ではない動詞もあります。例えば、andare「行く」の近過去であるsono andatoを「行きました」と訳せば問題ないですが、andareの半過去であるandavoを「行っていました」と訳せば、間違いを起こしてしまう可能性があります。同じように、venire(来る)の半過去であるvenivoを「来ていました」と訳したら、文脈によって正しくない時もあります。それでは、「飲む」、「食べる」、「する」のような動詞と、「行く」、「来る」のような動詞と、何かの違いがあるのでしょうか?
答えはYESです。
「飲んでいました」、「食べていました」、「していました」はある動作の最中の状態を表しています。しかし、「行っていました」、「来ていました」は、ある動作の結果を表しています。
例A 今日の朝7時にコーヒーを飲んでいました。
例B 今日の朝7時に学校に行っていました。
例Aは、朝7時の時点に、コーヒーをまだ飲み終わっていなかったことを意味しています。つまりその時点に、まだ飲んでいる最中でした。
例Bは、朝7時の時点にすでに学校に行っていたことを意味しています。行く最中だったのではなく、もう着いていました。つまり、「行く」という動作は終わっていました。その結果として、目的地である学校にいました。「飲んでいました」は動作の最中の状態を表しているのに対して、「行っていました」は動作の結果を表しています。日本の言語学者金田一春彦は、「飲む」のような動詞を「継続動詞」と呼び、「行く」のような動詞を「瞬間動詞」と呼んでいます。
「瞬間動詞」は瞬間的な動作を表しているのに対して、「継続動詞」はしばらく続いている動作か状態を表しているとされています。
「食べる」、「飲む」は継続動詞です。「行く」、「来る」は瞬間動詞です。
「食べる」と「飲む」の過去進行形である「食べていました」、「飲んでいました」は、食べる動作、飲む動作が最中であることを表しています。しかし、「行く」、「来る」の過去進行形は、行く動作、来る動作が済んでいる、済ませてあることを表しています。イタリア語の半過去は、済んだ動作を表している時制ではありません。イタリア語の半過去は最中の動作を表しています(習慣も表していますが、習慣もある意味で何かの動作の最中と思われています)。
例Hは、「今朝の7時に学校に行く途中でした。」という意味です。
日本語の動詞の過去進行形はイタリア語の半過去と同じ時制を表しているかと言ったら、場合によってはそうですが、完全に同じ時制とは言えません。同じ時制に当たるのは、継続動詞の場合だけです。
そうなると、日本語の瞬間動詞の過去進行形をイタリア語の半過去として訳したら絶対間違いなのでしょうか?
実際、間違いではない場合もあります。
例えば、例Dを「子供のころ学校へ行っていました」と訳せば、間違いではありません。
イタリア語のの半過去は、過去の動作が最中であることを表す時もあれば、過去の習慣を表す時もあります。例Dは、過去の「学校に行く」習慣を表しています。過去の習慣を言っている場合、例え瞬間動詞であっても、イタリアの半過去を日本語の過去進行形で訳すことができます。
日本語の瞬間動詞の場合、過去進行形がある動作が終わったことを表す時もあれば、過去の習慣を表す時もあります。又、金田一教授によりますと、日本語の動詞は継続動詞、瞬間動詞、状態動詞に分けることができます。状態動詞は、「ある」、「いる」、「である」、「です」、「要る」など、進行形が当てはまらない動詞です。
イタリア語のessere動詞とstare動詞は両方日本語の「いる」、「ある」、「だ」、「です」、「である」とそれと同様の意味の日本語で表されています。しかし、イタリア語のessere動詞とstare動詞に近過去と半過去の使い分けがあるのに対して、日本語の「ある、」、「である」などに過去形と過去進行形の区別はありません。なので、このような状態動詞でも、イタリア語の半過去を日本語に訳す時は注意が必要です。
5. 半過去をイタリア語として理解する
ここまで見たように、イタリア語の近過去と半過去を日本語の時制に基づいて区別しようとすると、日本語の時制が参考になる時もあれば、誤解を引き起こしてしまう時もあります。ですから、近過去と半過去を上手に使い分けるには、イタリア語としての半過去の理解が必要です。
そもそも半過去は何でしょうか?
どうしてイタリア語は近過去と半過去を区別するのでしょうか?
イタリア語の近過去は普通に、過去にあったことを伝えるために使います。
半過去も、もちろんそうです。しかし、半過去の場合、その「あったこと」は
1)ある時点に起きている最中だった。
2)その内なくなった習慣か状態だった
として紹介したい時に使います。
例Bと例Hは第一種類に所属しています。
例Dと例Fは第二種類に所属しています。
以下に記載してある全ての例文の日本語訳を参考にしてください。
例A 今朝の7時にコーヒーを飲みました。
例B 今朝の7時にコーヒーを飲んでいました
例C 子供のころ学校に行ったことがあります。(*不自然なのでこの文脈ではあまり使いません。)
例D 子供のころ学校に行っていました。
例E マリア―が綺麗だった時期がありました。(*近過去の場合、一番伝えたいのは、そのことが「起きた」ことです。)
例F マリアは綺麗でした。
例G 今朝の7時に学校に行きました。
例H 今朝の7時に学校に向かっていました。
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