近過去はessere、それともavere?

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近過去はessere、それともavere?

投稿 by Matteo Savarese on Mon Feb 23, 2015 11:26 am

1. 近過去形の助動詞

イタリア語の動詞の近過去形を作るために、助動詞のavereかessereのどちらかが必要になります。一部の動詞でavereを使い、もう一部の動詞でessereを使わないといけませんので、イタリア語の学習者は近過去の勉強で困ってしまうことが多いです。avereかessere、どちらの助動詞を選べばいいかは問題です。

例文A Oggi ho mangiato la lasagna

例文B Oggi sono andato a scuola

イタリア語の近過去を触れたことのある方なら、上記のように、mangiare動詞の近過去はavereで作るのと、andare動詞の近過去はessereで作ることをご存知でしょう。
mangiare以外、どんな動詞でavereを使うのか、andare以外、どんな動詞でessereを使うのかという疑問に、本記事で答えてみようと思います。
まず、理解して頂きたい一点があります。どの動詞でavereを使うのか、どの動詞でessereを使うのかと判断できるための簡単な法則はありません。色々な法則があり、全ての法則をわかっていてもたくさんの例外が残っています。そのため、法則を理解する努力と、動詞毎にその助動詞を暗記する努力を比べれば、どちらが大きいか言い切れません。ですから、法則を気にせず動詞と助動詞をセットで覚えるのもいい方法かもしれません。
いずれにしても、それぞれの動詞で使う助動詞をセットで覚えることが必要です。本記事は、基本的な動詞と助動詞のセットを暗記した上で、近過去と助動詞の関係についてもっと知りたい方を対象にしています。法則だけでは全ての動詞の助動詞がどちらなのか判断し切れません。しかし法則を知っていたほうが、助動詞の覚え方は楽になりますので、暗記するのに合わせて法則を覚えることも重要です。

2. 近過去形に当たる誤解

近過去形の助動詞を使い分けるための法則が複雑なので、誤解されることが多いです。一つの一般的な誤解としては、他動詞でavereを使い、自動詞でessereを使わないといけないという誤解です。他動詞でavereを使うことが確かですが、自動詞だったらavereを使う場合とessereを使う場合は両方あります。
例えば、camminareは自動詞ですが、近過去形はho camminatoです。camminare以外でも、avereを使う自動詞は多いです。telefonare、lavorare、dormireもそうです。
尚、他動詞は助動詞としてみんなavereを使いますが、例外として再帰動詞の他動詞というのがあります
(mi sono mangiato una melaなど)。

3. 自動詞で使う助動詞

再帰動詞の他動詞でessereを使うといっても、それを例外として考えてもいいです。基本的には他動詞でavereを使うと考えればいいです。自動詞のどれでavereを使うのかと、どれでessereを使うかというのは問題です。
以下は、avereを使う自動詞とessereを使う自動詞のリストです。動詞はもっとたくさんありますので両方とも不完全なリストです。



*日本語では、「目指す」と「利用する」は他動詞ですが、イタリア語では自動詞です。それぞれに前置詞がつきます。ambireにはa、approfittareにはdiがつきます。
上記のリストは完全ではありませんが、自動詞の中では助動詞としてavereを使う自動詞とessereを使う自動詞は両方存在していることがわかります。
同じ自動詞の中でも、動詞の種類によって助動詞が決まるとよく言われています。例えば、「移動を表している動詞ならessere」を使うというのは、一つのルールとして思われているのですが、本当にそうなんでしょうか?

4. 移動の動詞

移動の動詞はたくさんありますが、上のリストから選びますと、
andare, arrivare, cadere, entrare, partire, salire, scendere, scappare, scivolare, tornare, uscire, venire, camminare, girare, gironzolare, girovagare, navigare, nuotare, passeggiare, pattinare, sciare, svolazzare, vagare, viaggiareという動詞は確実に移動を表しています。しかしその中では、助動詞としてessereを使う動詞とavereを使う動詞は両方あります。



a組の中では、よく使われている動詞が多いです。B組の動詞の中では、camminare、viaggiareのような一般的な動詞も含まれていれば、そうでない動詞もあります。いずれにしても、移動の自動詞でavereがつくことは例外的な現象はではありません。
a組のとb組のそれぞれの動詞の意味を比べると、何かの違いが目立ちます。その違いに基づけば、どの動詞がessereなのか、どの動詞がavereなのか、推測し易くなります。
a組の動詞は瞬間的な動作を表しています。
b組の動詞は逆に、継続的な動作を表しています。
例えば、andare(行く)を考えてみましょう。どこかを去った時に、「行く」という動作が終わります。例えば、ciao, vado a scuola(「じゃあね、学校に行くよ」)と言った後に家を出れば、聞き手にとってはその「学校に行く」という動作は終わります。逆に、camminare(歩く)の場合はどうでしょう。andareと違ってcamminareの動作は永遠に続くことが可能です。ずっと歩いていても「歩いている」という事実は変わりません。
a組の動詞はみんな、andareと同じように、瞬間動詞です。b組の動詞はみんな、camminareと同じように、継続動詞です。
「移動を表している動詞ではessereを使う」という法則の解釈をよく耳にすることがあるのですが、実際それほど簡単ではありません。
「移動を表している自動詞の瞬間動詞ではessereを使う」というのは、正しい法則です。
だからといっても、ここにもいくつかの例外があります。
girareという動詞があります。意味は「回る」です。と言っても、「回る」には2種類があります。

A)「ヨーロッパを回る」

という時の「回る」と、

B)「右に回る」、「左に回る」

という時の「回る」があります。A)の場合、「回る」は継続動詞です。B)の「回る」は瞬間動詞です。「回る」に当たるイタリア語の動詞girareも、場合によって、継続動詞になる時もあれば瞬間動詞になる時もあります(girare a destra、girare a sinistraなど)。しかしgirareは、瞬間動詞になっても助動詞はそのままavereです。ということは、移動の瞬間動詞はみんな助動詞がessereかと言ったら、そうとも限りません。やはりここにも例外があります。
もう一つの例外はandareの慣用語です。andare動詞では、

A) andare  in bicicletta

B) andare in moto

など、色々な慣用語が作れます。
A)の意味は、瞬間動詞として「自転車で(どこかに)行く」という意味です。継続として「自転車で回る」という意味です。B)も同じように、「オートバイで(どこかに)行く」、「オートバイで回る」という二つの意味を表しています。しかしA)もB)も、継続動詞になったとしても、助動詞はいつでもessereです。

5. 変化を表す動詞

移動の動詞と並んで、変化を表す自動詞ではessereを使うとよく言われています。
しかし、まず一つ起きそうな疑問は、逆に変化を表していない動詞があるかどうかという疑問です。
なぜならある意味では、ほとんどの動詞は何らかの変化を表しています。
しかし、先ほど見たように、camminare(歩く)のような動詞の場合、ずっと歩き続けても「歩く」ことに変わりがないのに対して、uscire(出る)の場合、どこかを「出た」だけで位置の変化が想定されます。しかし「変化の動詞」と一般的にされているのは、先ほどの「移動の瞬間動詞」と違う種類です。以下の動詞は変化の動詞です。
arrossire(赤くなる)、aumentare(増える)、crescere,(大きくなる)、diminuire(減る)、 dimagrire(痩せる)diventare(なる)guarire(治る)、impazzire(狂う)、ingrassare(太る)、invecchiare(年を取る)、ringiovanire(若返る)、rinsavire(正気に戻る)
変化の動詞では、主語のある特徴の変化を表しています。
例えば、dimagrire(痩せる)とingrassare(太る)の場合、変化しているのは体の大きさです。
invecchiare(年を取る)とringiovanire(若返る)の場合は、変わるのが年齢(もしくは見た目)です。
何が変化しているか言いにくい場合もあるかもしれませんが、例えばimpazzire(狂う)とrinsavire(正気に戻る)の場合、変化していくのはその人の「冷静さ」と考えてもいいでしょう。
どのような動詞が「変化」の動詞かわかれば、それは助動詞を決めるためのいいヒントになります。変化の自動詞の助動詞は必ずessereだからです。

6. 突然なできごとを表す動詞

この種類の代表的な動詞としては、
apparire(現れる)、cadere(落ちる)、crollare(倒れる)、morire(死ぬ)、nascere(生まれる)、scivolare(滑る)、scomparire(なくなる)、sparire(なくなる)、svenire(失神する)
というのがあります。
これらの動詞は急な出来事を表しています。助動詞はessereです。

7. 連結詞

連結詞というのは、主語と形容詞を繋ぐ動詞のことです。英語だったらbe、seemなどです。日本語だったら「です」、「だ」、「である」、「みえる」などがあります。
イタリア語の場合、連結詞として使える動詞はessere(である)、diventare(なる)、parere(見える)、sembrare(見える)です。
これらの動詞の場合でも、助動詞はessereです。

8. 不動の動詞

移動を表す動詞ではessereを使うと話したのですが、不動を表す動詞もそうです。つまり、移動を否定して、動いていない状態を表している動詞です。例えばrestare、rimanere、stareはそうです。三つとも意味は「いる」です(*restareとrimanereは「残る」という意味でも使えますが)。
しかし、これらの動詞は、普通にどこかに「いる」ことを意味しているわけではなくて、何かの予定されていた移動を否定した「いる」を表しています。
例えば、このような会話の場合ではそうです。
Oggi vieni al cinema? (今日は映画館へ行かない?)
No, oggi sto a casa. (いいえ、今日は家にいる。)
答えとしては、oggi sto a casaの代わりにoggi resto a casaかoggi rimango a casaを使っても、意味は同じです。
移動を否定することも、移動の一種として考えられるでしょう。
このような「不動」の動詞では、移動の動詞と同じように、essereを使います。

9. essereを使う他の動詞

essere を使う自動詞としては移動の動詞、変化の動詞、連結詞などがありますが、全ての動詞は何かの種類に入れられるわけではありません。essereを使う自動詞としては、どの種類に入るか言いにくい動詞がたくさんあります。bastare(足りる)、esistere(存在する)、occorrere(要る)、piacere(気に入る)などはそうです。

10. avereを使う自動詞

移動、変化などの自動詞でessereを使うとしたら、どんな自動詞でavereを使うのでしょうか?
まず、さきほど見たように、継続的な移動の動詞です。
camminare(歩く)とviaggiare(旅行をする)などです。
そのほかにどんな動詞があるのでしょうか?
abbaiare(吠える)もそうですが、miagolare(ニャーと鳴く)、muggire(モーと鳴く)など、動物の声を表している動詞はみんなそうです。

11. avereとessereを両方使える動詞

一つの動詞に、助動詞のどちらかしか使えないわけではありません。avereとessereを両方使える動詞が多いです。これらの動詞は、2種類に分けることができます。
1)同じ意味でavereもessereも両方が使えるという動詞
2)意味によって助動詞が決まるという動詞

11.1 同じ意味でavereもessereも両方が使えるという動詞

以下は、avereもessereもどちらでもOKの動詞のリストです(数が多いので、これはたったの一部です。)
brillare(輝く)、coincidere(合う)、combaciare(合う)、convivere(同居する)、decollare(離陸する)、deragliare(脱線する)、dilagare(広がる)、diluviare(雨がたくさん降る)、espatriare(他国へ移住する)、germogliare(芽を出す)、grandinare(ひょうが降る)、inciampare(転ぶ)、luccicare(煌めく)、migliorare(上達する)、naufragare(破船する)、nevicare(雪が降る)、piovere(雨が降る)、risuonare(響く)
その中で、diluviare(雨がたくさん降る)、grandinare(ひょうが降る)、nevicare(雪が降る)、piovere(雨が降る)は気候の動詞と呼ばれています。

11.2 意味によって助動詞が決まるという動詞

これらの動詞は又2種類に分けることができます。
1)他動詞か自動詞かによって助動詞が決まるという動詞
2)それ以外の理由で助動詞が決まるという動詞

11.2.1 動詞が他動詞か自動詞かによって助動詞が決まる

このような動詞はそうです。



11.2.2それ以外の理由で助動詞が決まる
特別な移動の動詞としてcorrere (走る)とvolare (飛ぶ)があります。
これらの動詞は、目的地が特定されていれば助動詞はessereです。特定されていなければ助動詞はavereです。

a) Sono corso a casa. (走って帰った。)

b) Ieri ho corso. (昨日走った。)

c) Il passero è volato sull’albero (雀は木の上に飛んだ。)

d) La rondine ha volato. (ツバメが飛んだ。)

a)とc)の場合、移動の目的地は特定されています。a)はcasa(家)、c)はalbero(木)です。助動詞はessereです。

b)とd)では逆に、何の目的地も特定されていません。助動詞はavereです。

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