本格的なイタリア料理店とは?

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本格的なイタリア料理店とは?

投稿 by Matteo Savarese on Sat Sep 27, 2014 5:46 pm

いいイタリア料理店かどうか一目で判断できますか?」(http://itariagojapan.forumjap.com/t39-topic)という投稿で、お店に入る前のイタリア料理店の選び方について話しました。
今度は、すでにある店に入って食べたことを前提に、その店の本格的さをどう評価すればいいかについて話したいと思います。
東京にはたくさんのイタリア料理店があるからといって、それらはみんな本格的なイタリア料理店とは言えません。
本格的かどうか、どう見分ければいいでしょうか?
因みに、本格的な店だけが美味しい、本格的でない店は美味しくないというわけではありません。
しかし、イタリア人にとってはおそらく本格的な店が一番美味しいです。
本場の味が味わえるからです。
なので、イタリア人と同じような味わいがしたい方は、是非このガイドを利用してください。
イタリア人は、イタリア料理店のどんなところにこだわるのでしょうか?それと、逆に、どんなことがあってある店に入らなくなるのでしょうか?
イタリア人がこだわるポイントのリストを作ってみました。

1 サラダのドレッシング
イ タリアでは、サラダのドレッシングはただのオリーブ・オイル、ビネガー、塩です。その上に、好きだったらこしょう、オレガノ、バジルなどを加えてもいいで すが、オリーブオイル、ビネガー、塩は基本です。ビネガーの代わりに、レモンを使うこともできますが、ビネガーのほうが一般的です。おしゃれにすれば、ビ ネガーの代わりにバルサミコを使うのもいいですが、それほどおしゃれにする必要はありません。しかし日本ではよく、キャンティドレシングという醤油ベースのドレッシングが使われてい ます。

キャンティドレシングのボトル

サラダにかけられたキャンティドレシング

みんなさん、キャンティドレシングを見たことがあるのでしょうか?食べたことがあるのでしょうか?どうでしたか?
調理人の話を聞くと、昔キャンティという、有名なイタリア料理店がそれを発明して、他の店がマネをしたそうです。なぜかそのキャンティドレッシングは、 日本のイタリア料理店の典型的なドレッシングになったようです。

こちらはキャンティドレシングのレシピーだそうです。

日本人の中では、それが好きな人は結構いようですが、イタリア人にとってはありえません。 第一、イタリア料理と味が合わないのです。後、イタリア人にとってはサラダは消化をするためのものです。ですから、さっぱりしなければいけません。そのために、ビネガーかレモンのような酸味が入ったサラダが好まれています(ちなみに、イタリアではサラダは食事の最初ではくて、最後に出されているから、サラ ダが消化を手伝います)。日本人の話を聞くと、日本料理と比べてイタリア料理はこってりした料理と思われています。それは本当です。しかし、イタリア料理 には、こってりしたものを食べた後に又さっぱりするためのものがあります。それはサラダです。ですから、必ずサラダに酸味が入っていなければなりません。 醤油ベースのキャンティドレッシングは絶対だめです。キャンティドレッシング以外、たまにはドレッシングとしてマヨネーズが出されることがあります。マヨネーズに はちょっとだけ酸味が入っているから醤油ベースのと比べてはましですが、やはりマヨネーズもだめです。サラダのドレッシングは必ずオリーブオイル、ビネ ガー、塩でなければなりません。そうではなければ、お店は本格的なイタリア料理店ではないと思って頂いてもいいです。違うドレッシングが出されたら私は必 ずオリーブオイルとビネガーを頼みます。だいたいの店員が親切だから持ってきてくれます。イタリア人と同じように食べたい方は、今度から是非そうしてくだ さい。

2 パン
イタリアでは、パンはお変わり自由です。日本では、お変わり自由の店もあれば、殆どの店ではパンの追加は有料です。イタリア人から見るとやはり、パンがお変わり自由の店は本場に近いです。しかし日本ではお変わり自由をやっている店は少ないです。しかたありません。お客である日本人はあまりパンを食べたがらないからでしょう。そうなると、お変わり自由をやっている店は損してしまいます。ほとんどのイタリア料理のシェフはイタリアはお変わり自由だとわかっていますが、それぐらいは日本人の好みに合わせなければなりません。ですから、パンのお変わり自由をやっていない店を、悪く思う必要はありません。イタリア人は食事の時に大量のパンを食べています。日本にはその習慣はありません。何れにしろ、パンはお変わり自由かどうかというより、お店の本格的さをもっと決定的に測るポイントがあります。それは、出されているパンの種類です。日本のイタリア料理店で出されているパンは基本的に4種類に分かれています。以下の表でまとめてみました。
パンの種類コメント評価     
バゲット一番普及している種類です。美味しいですが、バゲットはフランスパンなので、あまりイタリア人が食べようと思っていません。イタリアのパンは
日本にないから、しかたなく食べているだけです。
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バゲットのヴァリエーション(ガーリックトーストなど)普通のバゲットはなくて、ガーリックトーストしかメニュに乗せていない店もあります。イタリア人にとっては、パンというのは、何もついていない、
何も乗っていないもののことです。ですから、イタリアだったらガーリックトーストなどは、絶対食パンとして認められません。
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自家製パン自家製パンは色々ありますが、美味しい自家製パンはきっと、一番イタリア人のお客が喜ぶパンです。Like a Star @ heaven Like a Star @ heaven Like a Star @ heaven
変わった自家製パン(レーズン、クルミ入りなど)日本では、パンの生地に色々なものを入れたほうが美味しいという考え方は割と根強いようです。ですからよくパンの生地に、クルミ、レーズンなどが入れられます。しかしイタリア人にとっては、パンの生地以外何にも入っていないパンは本当のパンです。Like a Star @ heaven Like a Star @ heaven
パンの種類はともかく、パンと一緒に出されるものは、お店の本格的さを判断するためのポイントになります。
お店によっては、バターが出されたり、オリーブ・オイルが出されたり、何も出されなかったりします。以下の表で、4つくらいのシナリオとそのコメントを纏めてみました。
パンと一緒に出るものコメント
評価 
バターパンと一緒にバターを出す習慣は、フランスの習慣です。イタリアでもバターが好きな人が多いですが、フランス人と勘違いされるのはイタリア人にとっては非常に嫌なので、パンと一緒にバターを出すのは絶対アウトです。Like a Star @ heaven
小皿に入っているオリーブ・オイル                                             イタリアの伝統的な油はバターというよりオリーブ・オイルだということが知られており、そのためにちょっとおしゃれな店はよくパンと一緒に小皿に入ったオリーブオイルを出しています。しかしイタリアでは特に、パンをオイルにつけて食べる習慣はありません。美味しくないわけではないのですが、そもそもその、小皿でオリーブ・オイルを出すという習慣は、バターと一緒にパンを食べることに慣れている日本人のお客さんを満足させるために作られたと考えられます。イタリア人は、自分の国の習慣と文化を正しくとわかって頂くことは一つの楽しみなので、小皿に入っているオリーブ・オイルがあっても喜びません。Like a Star @ heaven Like a Star @ heaven              
瓶に入っているオリーブ・オイルイタリアでは、各テーブルの上にオリーブ・オイルの小さいボトルを置く習慣があります。パンにつけるためというわけではないのですが、好きなようにサラダか他の料理に加えるなど、色々な使い方があります。Like a Star @ heaven Like a Star @ heaven Like a Star @ heaven          
何もイタリアでは、パンにつけるためのものは特にありません。ですから、そのままのパンを出すのが一番正しいです。パンは、出された料理と一緒に食べることは一般的です。得に、パスタか肉料理のソースが残っていれば、それにパンをつけて食べます。パンはそのためにあると思って頂きたいです。Like a Star @ heaven Like a Star @ heaven Like a Star @ heaven  
3 献立
日本にあるイタリア料理店には、本格的なイタリア料理もあれば、日本人の味に合わせられたものと創作料理も多いです。
基本としては、料理というのはただのレシピー通りで作られたものではないです。調理人にしては、創作をするのも当然なことです。自分のお客さんの好みを考えながら献立を決めるのもいいことです。しかも、国によっては手に入れやすい食材は違いますので、現地の食材を利用してレシピーを調整するというやりかたも、悪くありません。
しかし、どんなことをやっても、ある程度の常識は必要です。それがなければ、イタリア料理のはずだったものは違うものになってしまいます。
イタリア料理の基礎を守りながら色々な食材を使ったり、色々な創作をする人は、いい調理人です。
レシピー通りのものしか作れない人は、それだけでいい調理人と限りません。
しかし、イタリアの食材を使って本場のレシピー通りで作る必要はなければ、本格的なイタリア料理とそうでない料理は、どう見分ければいいでしょうか?
イタリア料理には基本的なルールがあって、それを守らなければなりません。その範囲内で創作をしても、外れることはありません。
しかしその基本的なルールとしてはおそらくどの本にも書いていないし、イタリア人に聞いてもそれぞれ違う意見を持っているかもしれません。
ですから最終的に、イタリア人に味見をしてもらって、直接判断してもらうしかないかもしれませんが、私は、イタリア人として、いくつかのアドバイスがあげたくて、以下のガイドを書くことにしました。完璧でないと思いますが、参考にして頂ければと思います。

3.1 献立の書き方
まず、お店のメニュを開いた時に、気になるのは料理名です。料理名は、基本的に2種類に分かれています。
1)イタリアの名前が使われています(カルボバーラ、アラビャータなど)
2)調理法と材料は料理名になります(ほうれん草のバター炒めなど)
もちろん、両方大丈夫です。ただし、1)の場合では、イタリアの料理名の使い方はお店の本格的さを語っているから、注意するべきです。料理名の書き方から、調理人のイタリア知識が図れます。書き方はともかく、味さえ美味しければいいと一般的に思われているのですが、やはり美味しい店でも、イタリア語の料理名の書き方がおかしすぎれば、100%本格的なイタリア料理店とは言えません。ですから、献立の評価を、料理名の書き方から始めましょう。
料理名の間違いと言えば、基本的には二つに分かれています。
1)料理名の綴りは間違っています。
2)料理名は存在していません、もしくは違う料理を指しています。

3.1.1 料理名の綴りの誤り
綴りの誤りの中では、おそらく一番一般的なのは「ペスカトーレ」です。ペスカトーレは日本で、業界入りのパスタを意味しています。しかしイタリアではペスカトーレという料理は存在していません。「
ペスカトーラ」といいます。気を付けてください。何かの勘違いでペスカトーラはペスカトーレになってしまいました。イタリア語では、ペスカトーレ(pescatore)は漁師という意味です。アラ・ペスカトーラ(alla pescatora)は漁師風という意味です。ですから、スパゲッティの場合、spaghetti alla pescatora(スパゲッティ・アラ・ペスカトーラ)は正しい呼び方です。省略して、ただのスパゲッティ・ペスカトーラという場合もありますので、それでも大丈夫です。でも、スパゲッティ・ペスカトーレは絶対ないです。

ペスカトーレのスパゲッティ

3.1.2 イタリアで知られていない料理名

日本のイタリア料理店でよく献立に乗っている料理の中では、ジェノヴェーゼという料理があります。イタリア料理が好きな方の中では、ジェノヴェーゼはイタリア料理の基本だと思っている方も少なくありません。日本では、ジェノヴェーゼはバジル・ソースのパスタを意味しています。しかしイタリアでは、日本で知られているジェノヴェーゼは存在していません。バジル・ソースが乗っているパスタは、イタリアではpasta al pestoもしくはpasta col pestoとして知られています。Pestoというのは、バジル・ソースのことです。本当の名前はpesto alla genoveseです。Alla genoveseというのは、ジェノヴァ風と意味です。ジェノヴァは、北イタリアにある港町です。イタリアではだいたい、alla genoveseが省略されて、ソースの名前はただのpestoになります。だから普段pasta col pestoといいますが、pasta col pesto alla genoveseと言っても大丈夫です。しかし、ただのpasta alla genoveseという省略はだめです。日本ではpestoが省略されて、料理の名前として「ジェノヴェーゼのパスタ」が使われています。省略だからいいだろうと思う方もいるかもしれませんが、だめです。なぜならイタリアではpasta alla genoveseという別の料理があります。pasta alla genoveseは、ひき肉と玉ねぎのソースを使ったパスタを意味しています。トマトが入っていない、手抜きのミートソースみたいな感じです。ですから、勘違いしてはいけません。バジルソースのパスタをペストのパスタと呼びましょう。

3.2 イタリアにないイタリア料理

3.1では、献立の書き方の誤りについて書いたのですが、当然それよりもっと深刻なのは、イタリアに存在していない料理が献立に乗せられていることです。みんなさんがご存じだと思いますが、ナポリタンのスパゲッティは日本の料理で、イタリアにありません。ドリアとシーザー・サラダもそうです。
ドリアとシーザー・サラダは、イタリア人が食べても美味しいです。しかしナポリタンは、絶対イタリア人が頼みません。なぜならナポリタンは、イタリア料理のどこにも書いていないルールの二つも破っています。
そのルール違反をこの下の表でまとめました。
大一違反ケッチャップを入れることケッチャップは、パスタソースに入れてはいけません。その理由は二つ挙げられます。
1)ケッチャップには、ビネガーが入っています。ビネガーは、パスタソースに入ってはだめのようです。
2)ケッチャップはアメリカのものです。イタリア人は色々な意味でアメリカを尊敬していますが、料理の話になると、イタリア人は自分の料理が世界一だと思っているのに対して、アメリカは料理の下手な人達の国だと思っています。ですから、パスタの大国であるイタリアでは、アメリカの発明であるケッチャップを使ってはみっともないと思われてい ます。
第二違反ウインナーを入れることウインナーも、使ってはいけません。これに三つの理由が挙げられます。
1)ウインナーは、鶏肉と同じく、煮込んでもソースと混じらないので、ソースや煮込みの材料として使われていません。
2)ウインナーはもともとオーストリアの産物で、アメリカで一般的に使われているみたいです。イタリアでも大人気ですが、外国のものとしてパスタのソースで使われていません。
3)ウインナーはソーセジの一種ですが、イタリア人にとっては本当のソーセージではありません。イタリア人にとっては、ソーセージはsalsiccia(サルシッチャ)と呼ばれている、ひき肉と香辛料でできたものです。
3.3 イタリアにあっても作り方が違うイタリア料理

3.3.1

イタリアのメージャーな料理の中では、日本でも人気あるものがあります。しかし同じ料理でも、イタリアと日本での作り方と材料が違う場合もあります。その一つの例として挙げられるのは、カルボナーラです。
イ タリアのカルボバーラは卵の黄身とパンチェッタだけで作ります。しかし日本では、カルボナーラに生クリームを入れます。しかも、パンチェッタの代わりに、 ベーコンを使います。パンチェッタは、ベーコンと同じく、豚ばら肉でできた発酵肉です。しかしベーコンと違って、パンチェッタのもとは塩漬けの肉です。パ ンチェッタはイタリアの産物ですが、ベーコンはイギリスのものなので本当のカルボナーラには使ってはいけません。

3.3.2

日本でイタリア料理と言えば、「カルパッチョ」をイメージしている人はたくさんいます。日本でカルパッチョというのは、イタリア風ドレシングがかけられた生の魚です。日本のお刺身のイタリア版という感じです。しかしイタリアにはこのようなカルパッチョは一般的ではありません。イタリアではカルパッチョというのは、味付けの生の牛肉のことです。日本のような魚のカルパッチョを出している店もありますが、それは日本のお刺身の影響で生まれた食べ方です。イタリアの伝統的な食べ方ではありません。イタリアのシチリア島では、昔から生の魚が食べられているようですが、それはカルパッチョではありません。シチリア地方だけの料理で、大陸イタリアではあまり知られていません。生牛肉のカルパッチョは1950年代でヴェネツィアで生まれた料理です。それは本当のカルパッチョです。

3.4 ピザ

3.4.1 イタリアで一般的じゃないピザのトッピング

ピザのトッピングは色々あります。本場のイタリアのピッツェリアに行っても、メニュには何でも乗っています。しかしピザは、クラッシクとオリジナルに分かれていて、日本で一般的になったピザはイタリアのクラッシクのピザに含まれていないことが多いです。
以下の表では、日本で一般的でもイタリアでは使われていないトッピングとその評価を纏めました。
トッピング  説明深刻さ 
バジル日本では、マルゲリータと言えばだいたいトマト、モッツァレーラ、バジルはイメージされています。もともとのマルゲリータのレシピーとしては正しいですが、イタリアでマルゲリータを頼むと意外にバジルは乗っていなかったりします。それを見てびっくりする日本人の観光客がいるようです。しかしそれは普通です。バジルは美味しいし残念かもしれませんが、それにこだわっているのは日本人だけのようです。    
ピーマンピザの話をするとよく、ピザにピーマンを乗せないかと聞かれます。ピザは日本で、ピーマンが乗っているものとイメージされているようです。しかしイタリアでは、ピザの上にピーマンを乗せることは滅多にないです。アメリカから直接日本に渡って来た習慣です。Evil or Very Mad
シーフード     日本のピザ屋さんに行くと、大体メニュにはシーフードのピザが乗っています。しかしイタリアではシーフードのピザはあまり知られていません。Evil or Very Mad
ベーコン日本では、ベーコンが乗ったピザをたまに見かけます。しかしイタリアではベーコンを絶対乗せないのです。なぜなら、イタリアのスーパーに行ってもベーコンは売られていません。ベーコンは、イタリアにない材料です。Evil or Very Mad
蜂蜜ゴルゴンゾラ・チーズ(イタリアのブルー・チーズ)のピザを食べると、日本人はだいたい蜂蜜をつけてもらいます。蜂蜜の甘さはチーズの匂いを弱めるから美味しいという人もいますが、イタリアではこの食べ方は知られていません。Evil or Very Mad Evil or Very Mad
ジェノヴェーゼ        「3.1.2 イタリアで知られていない料理名」では、なぜバジルが乗ったパスタをジェノヴェーゼと呼んではいけないか説明しました。パスタはだめなら、ピザはもっとだめです。なぜなら、ピザの場合、名前の問題以外に、材料の問題も生じます。イタリアではバジルソースのピザは知られていないからです。Evil or Very Mad Evil or Very Mad
アヴォガドアヴォガドは、決してイタリアの材料ではありません。アヴォガドが入ったイタリア料理はありません。入ったお店のメニュにアヴォガドがトッピングになっているピザが乗っていれば、頼まずにさっさと逃げて行ったほうがいいです。Evil or Very Mad Evil or Very Mad Evil or Very Mad             
3.4.2 ナポリ風ピザとローマ風ピザ

日本でピザの話をすると、ナポリ風ピザとローマ風ピザとどっちが好きか聞かれます。ナポリ風ピザはもちもちしていて、ローマ風ピザはパリパリしていると思われているようです。お店の人達も、自分の店はナポリ風ピザをやっていますと言ったり、ローマ風ピザをやっていますと言ったりして宣伝しているようです。しかし私は日本に来て初めてナポリ風ピザとローマ風ピザの話を聞きました。イタリアにはその違いはありません。ピザはみんなナポリ風です。なぜなら、ピザはナポリの料理です。ナポリの人達はイタリアの色々な地方に行って、ピザ屋さんを開いています。ですから、イタリアのどこの地方でも、食べられるピザはナポリ風ピザです。ローマ風ピザは薄くてパリパリしているのに対してナポリ風ピザは厚みがあってもちもちしていると、日本でよく言われているようです。しかしイタリアでは、パリパリしているピザはありません。ピザはもちもちしているものです。とくに厚みがあるわけでもありません。本当のナポリ・ピザは薄いし、もちもちしています。厚みのあるピザは、ピザ・ハットのようなアメリカ風ピザです。

3.4.3 イタリアのクラッシク・ピザとは?

ピザはいろいろありますが、イタリアのピザ屋さんならかならず献立に乗っているピザがあります。いわゆるpizze classiche(クラッシク・ピザ)です。
以下の表で主なクラッシク・ピザをまとめました。
ピザトッピングピザトッピング
マリナーラトマト、ニンニク、オレガノフンギトマト、モッツァレーラ、マシュルム
マルゲリータトマト、モッツァレーラ、オレガノかバジルヴィエンエーゼトマト、モッツァレーラ、ウインナ
ロマーナトマト、モッツァレーラ、アンチョビカプリッチョーザトマト、モッツァレーラ、ハム、マシュルム、アーティチョーク
ディアヴォラトマト、モッツァレーラ、辛いサラミクアットロ・スタジョーニ 上と同じですが、ピザは四つに分かれていて、材料は分けて乗せられます。
プロシュットトマト、モッツァレーラ、ハムカルツォーネピザの生地は大きな餃子みたいに包まれます。中にはトマト、モッツァレーラ、リコッタ・チーズとハムが積まれます。
3.4.4 トマト系、クリーム系、赤いピザ、白いピザ

日本のイタリア料理店の献立を見ると、大体パスタはトマト系とクリーム系に分けれていて、ピザは赤いピザと白いピザに分かれています。イタリアにはこの分け方はありません。パスタのソースにはいろいろな材料を使いますし、トマトを使うことが多いですが、クリームは特別に基本的な材料として思われているわけではないです。ピザは、殆どトマトが乗っています。トマトが乗っていないいわゆる白いピザは、イタリアにもありますが例外的です。献立では、トマトが乗っている赤いピザとトマトが乗っていない白いピザをカテーゴリーとしてわけることがありません。イタリアでの一般的な分け方は、パスタの場合はだいたい肉系と魚系で、ピザの場合ではクラッシク・ピザと創作ピザです。

4 材料

4.1 イタリアで使われていない材料

4.1.1 パルメザン

イタリア人はよくパスタにパルミジャーノをかけて食べます。パルミジャーノは、固くてしょっぱいチーズで。日本ではよく「パルメザン・チーズ」と呼ばれています。よくスーパーで売っている粉チーズの瓶に「パルメザン」と書いてあるからです。しかし、みんなさんがご存じの、緑色の瓶に入っていて、パルメザンと呼ばれているチーズは、イタリア人が使っているパルミジャーノと違います。パルメザンはドイツ製の偽物です。味は本当のパルミジャーノとかなり違いますので、あまりパスタにかけないほうがいいです。イタリア料理店によっては、直接最初からパルメザンの瓶を置いているところと、粉チーズを頼んだらパルメザンを出すところもありますが、それはよくないです。お店の本格的さを測る時は、まずどんな粉チーズが使われているか見たほうがいいです。

四種類に分けれられますので、以下の表でまとめてみました。
緑色の瓶のパルメザン先ほど説明した理由で、パルメザンは絶対だめです。Evil or Very Mad Evil or Very Mad     
古いパルミジャーノパルミジャーノは、ブロックの状態で買うこともできますし、すでに粉になっている状態でも買えます。ブロックの状態で買うと、自分で削らなければなりません。ただし、もし一回に大量を削って置いておけば、チーズは古くなって、味が変わってしまいます。古くなった牛乳のような酸味が付きます。大量の粉チーズを買って置いておけば、同じ現象が起きます。お店にとっては、削る時間を節約できるからいいですが、あまり美味しくないです。Evil or Very Mad
グラーナ・パダーノ本当のパルミジャーノは、イタリアのパルマ市かレッジョ市でしか作れません。それ以外の地方で作られたチーズには、パルミジャーノと似ていても別の名前を付けなければならないという法律があります。そういったチーズはグラーナ・パダーノと呼ばれています。パルミジャーノより安いですが、味は少し落ちていますので、気をつけたほうがいいです。Smile
パルミジャーノ粉チーズは小さくて白い陶器の入れ物で出されて、味に特に酸味が入っていなければ、削りたての本物のパルミジャーノの可能性はあります。パスタにかけるチーズとして進められるのはこれだけです。Smile Smile
4.1.2 タバスコ

日本人の中では、ピザを食べる時にタバスコをかけたいと思う人は多いです。しかしタバスコはイタリアのソースではありません。メキシコから来ていて、アメリカで普及したソースです。イタリアでは、メキシコの辛いソースとして知られていますが、あまり有名ではありません。イタリア人も、ピザを辛く食べたい時があります。そういう時に、olio piccante(オリオ・ピッカンテ)という辛いオリーブ・オイルをかけます。オリオ・ピッカンテは、唐辛子が入ったオリーブ・オイルで、簡単なドレッシングです。オリオ・ピッカンテは、唐辛子の代わりに料理の材料として使うことがありますが、ドレッシングとしてピザ以外では使いません。ミートソースのパスタなどにはかけません。ですから、ミート・ソースを辛くするためにタバスコそかけるという習慣は、イタリアにない習慣です。

4.1.3 ベーコン

ベーコンはイタリアの材料ではありません。イギリスから来ています。イタリアではだいたい名前でしか知られていません。北欧版のパンチェッタと思われています。イタリアではパンチェッタという豚ばら燻製肉があって、よく料理で使われています。同じばら肉なので、ベーコンの仲間ではありますが、作り方と味は多少違いますので、勘違いしてはいけません。

4.2 日本人が思っているほどイタリアで使われていない材料

4.2.1 バルサミコ

「1 サラダのドレッシング」で、サラダのドレシングについてすでに説明しました。イタリアの典型的なドレシングはオリーブ・オイルとビネガーだと書きました。ビネガーと言えば、イタリア好きな日本人の方ならだいたい「バルサミコ」をイメージします。輸入製品専門店のイタリアコーナーに行けば、バルサミコは必ず置いてあります。しかしイタリアでバルサミコはそれほど使われていません。バルサミコはモデナの産物で、イタリア全国で知られるようになったのは割と最近です。しかも高級なイメージがついています。イタリア人が一般的に使っている酢の種類は、ただのビネガーです。

4.2.2 にんにく

イタリア料理といえば、ニンニクくさいとイメージしている人は日本に結構います。日本で出版されたイタリア料理のレシピー集をちらっと見たら、トマトソースの作り方を説明されているところの写真では、一つのフライパンで5個か6個のニンニクがオイルに浮いていました。東京のあっちこっちのイタリア料理店でトマトソースのパスタを食べると、やはりソースに5個くらいのニンニクが入れられたようなニンニクの匂いが感じられることはあります。こういうことはイタリアには絶対ありません。ニンニクくさい料理は美味しい料理と思われていません。ニンニクの匂いが感じられれば、調理人の失敗だと思われます。イタリアではだいたい、4人分のソースにニンニクの1欠片は普通の量です。それより多ければ多すぎます。

4.3 ごちゃ混ぜはだめです。

日本のイタリア料理店でよ、く一つの料理に色々な材料が入っているのを見ました。しかし本場のイタリア料理はシンプルです。それほどたくさんの材料は入っていません。
例えば、イタリアで食べるミートソースは、肉とトマトだけです。日本のミートソースには、だいたい茄子も入っています。合わせとしては悪くありませんが、ミートソースは昔から肉とトマトだけなので、わざわざ違う材料を加える必要はありません。いい合わせと言っても、特に茄子を加えたおかげでもっと美味しくなるわけでもありません。肉とトマトだけにしても、美味しく作れば美味しいです。茄子入りミートソースは、おそらく中華料理の麻婆那須の影響で日本で生まれたレシピーです。
同じように、いわゆる「ジェノヴェーゼ」、「ボンゴレ・ビアンコ」など伝統的なパスタ料理を作る時も、わざわざ他の材料を加える必要はありません。イタリアのピザもシンプルです。一番シンプルなピザであるマルゲリータを上手に作れれば、それだけで充分のはずです。トッピングを乗せたとしても、ハムやきのこなどの簡単なトッピングで充分でしょう。

5 コーヒー

イタリア料理と言えば、食べ物だけではなく、飲み物も有名です。ワインもそうですし、コーヒーもそうです。イタリアのコーヒーは、サイズと牛乳の量により、エスプレッソ、カップッチーノ、カフェラテに分かれていて、この呼び方はみんな日本でもよく知られています。しかし、名前が知られていても、イタリアの飲み方のルールは同じように知られていると限りません。
日本では、ランチで1000円くらいのセットをやっているイタリア料理店が多くて、大体メイン料理とサラダに合わせてコーヒーもつきます。コーヒーは、お店によっては普通のホットコーヒー、アイスコーヒー、エスプレッソ、カップッチーノがあったりします。出されているコーヒーの種類の本格的さはそれほど重要ではないのですが、もっともイタリア人が拘るのはタイミングです。ランチセットを頼むと、たいてい「コーヒーは食前か食後、どちらが宜しいですか?」と聞かれます。他のお客を見てみると、コーヒーを食後で持って来てもらう人もいれば、やはり食前を選ぶ人もいます。イタリア人にとっては、食前でコーヒーを飲むという習慣には、本当に納得しにくいです。イタリアでは、コーヒーは必ず食後です。コーヒーを飲むと、食欲がなくなると一般的に思われています。食欲が残っていても、料理の味をちゃんと楽しめなくなるとも思われます。ですからイタリアでは、食前もや食事中でコーヒーを飲む人はいません。もっとも、もしイタリアのレストランで食前のコーヒーを頼もうとすれば、断られる場合もありそうです。なぜなら、食事の前でコーヒーを飲めば食事自体ができなくなると思われるからです。


最終編集者 Matteo Savarese [ Wed Oct 08, 2014 10:42 am ], 編集回数 1 回

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